格安スキップ西安行き
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あとがき
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電車が出発してすぐ、車内音楽が流れ出した。
この窮屈な状況下を、少しでも和ませようという計らいのようだ・・。しかし、曲は全て中国語。
続いて中国語の落語が始まる。周りは笑いにつつまれたが僕らにはただの騒音である。


電車が駅で止まると、ホームでは露店商がリヤカーに食べ物を載せて売っている。
停車している間に乗客がホームに出て食料を買ったりする。
しかし、案内放送も分からないうえ、車掌のおばさんが発車の合図をしてくれそうもないので外へ出るのは少し怖い。

就寝までに2食、車内で食事の時間がきた。
時間がきたというのは全員が、全く同じ時間に食事をとり始めるからである。
調度その頃を見計らって、食堂列車から牛丼みたいな弁当が10元(170円)で販売される。
確かに食べる以外する事もないので試しに食べてみるとこれがなかなかいける。
10元というと、安いようだが庶民からすると弁当にしては高い値段だ。


周りの乗客の多くが即席麺を食べている。
電車でずるずるとラーメンを一斉に食べる光景はなかなか不思議である。
僕らも道中の為、即席麺を買い込んでいた。(日本のものと比べると味はへんな香辛料が入り微妙である。僕は結構好きだった。)

お湯はというと、車両の連結部分に大きな給湯機が置いてあるのだ。
これはポットなどの規模ではなく、でかいタンク状のもので、熱湯がいつでも供給される。
これは即席麺用として設置されているとしか思えないのだが、生水の飲めない中国ではありがたいサービスである。(まあ、もとの水自体が恐ろしいが、そんなことはこの旅では考えていられなかった)

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