わくせいひつじの旅行記
/2002年中国編
上海までフェリーの旅 3
3日目の悪夢


僕は船のに乗っている時間が長くなるにつれて
なんだかこのまま中国に着かなかったらいいのにと思い始めた。
船の中がとても気楽で快適だったからなのだ。

ところで
三日目の明け方、大部屋で寝ていた僕はひと騒ぎ起こしてしまった。
そのとき爆睡中の僕は夢の中で暴徒に襲われていた。
その暴徒に腹が立って、その想像の敵に立ち向かっていきながら、
大声で「おりゃ〜〜!」叫び目をさましたのでした。

周りで寝ていた人はみんな起きて、
「なんだ今の?目覚まし?」とささやいていたのが
寝ぼけている僕にも聞こえてきた。
僕は「すいません・・」と小さく謝って再び眠りについた。

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上海へ

朝、さるぴーにまたもや起こされ
朝食終了ぎりぎりに、何事もなかったように食堂へ向かった。

彼は本当にいいやつで、
僕はリュック以外の鞄を持っていなかったのだが、
彼から小さいショルダーバッグをなぜかもらい
それに「地球の歩き方」なんかを詰めたりして
道中かなり重宝したのだ。
もちろん爆睡していた僕が
朝食にありつけていたのも彼のおかげである。

窓から見える海の色はいつの間にやら茶色く濁ってる。
ついに中国が近づいてきたのだ。
その不思議な光景を見ながら朝食を頂いた。
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さっそくデッキに出る。
船が大陸へ近づきだすと
スモッグに包まれた工場地帯が見えてきた。
雨がぱらついてきて、外は薄暗い。
余計に幻想的に見える。

そこに訳の分からないぼろ船やらが通る。
船員が全員、上半身裸だったりする。
一体なんの船なんだあれは?
予期せぬ景色にいきなり圧倒されて
早速カルチャーショックを受けてしまった。



船は上海の黄浦江という川に入って行き、
周りはスモッグに包まれた大都会の景色へと変わっていった。
すべてが茶色く霞んで見える。

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到着

ロビーではのんきに卓球で盛り上がっている。
到着まじかになると
全員荷物を持ってロビーに集まって
神妙に座って待機する。

フェリーの半日本という緩さと
今からあの慌ただしそうな異国に出るというギャップに
妙に緊張させられた。
お金の隠してるポケットなんかをチェックしたり
バタバタしてしまった。
一体どうなるのか、
このときはまったく予想がつかないままだった。


韓国のメーカーの前で意図的に写された。中国到着なのにひどいよな!

おわり   /2009年執筆
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