13.ネット屋





食事の帰りにネットカフェに行く連中に付いて行く。
そんなものがこのとき中国に存在する事自体が
不思議だった。

倉庫跡をそのまま利用したような
ネットカフェは、暗い路上の一画にひっそりとあった。

そこは飾り気がまったくなく、
ただ古い型のパソコンが長いテーブルに
づらづらと置いてあるだけである。

もちろんカフェなどであるはずがない。
ただのネット屋だ。
それに、それがネット屋だと気づくサインは
紙か布に書かれたこの漢字だけなのである。

バツが二つ・・なんだこれ?
この見慣れない漢字、
実は「網」の中国版である。
一人なら絶対気づかないし入れなかっただろう。
おかげで、以降ネット屋はこのバツマークをたよりに、
すぐ見つけられた。



外観は周りの家と変わらず。
中国では個人でパソコンが持てない分、
こういうネット屋が各地に存在していた。
日本語の打てるパソコンもなく、
ローマ字で安否を知らせるメールを打っていた。



ima shanhai ni imasu.buji desu.

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