トイレなんかすぐに見つかると思っていたが、
それは大きな間違いだった。
ようやく気づいたのだ。
この街では
無料のトイレはない。
トイレはどこ?
メトロの駅には何もなく、
街にはコンビ二みたいなお店がない。
どこの建物に入っても日本では何処でもある、
トイレが見つからないのだ。
デパートならトイレはあるだろうけども、
デパート自体が見つからないし。
閉まっている建物が多すぎる。
敷居の高そうな建物には入りにくいし。
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有料の簡易トイレ
(筒のようなやつ)を見つけたが、
お金を払いたくなかったので通り過ぎた。
間違いだった。
トイレを見つけたらとにかくはいっておけ。
初日にこれを学んだ。
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シアターの様な建物のカウンターで
トイレの場所を聞いた。
ここにはあるに違いない。
だが、
返事は「知らない」・・だと。 |
なめられたものである。
カフェに入ってトイレを借りればよかったのに。
これが思いつかなかった。
初日だったし、とにかく頭が回らない。
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不運の理由はこうだ。
この日、やはり何かの祝日に当たっていたようなのだ。
パリの人は、休みには働かない。
いろいろなところが閉まっているわけだった。
しかしそんなこと、知るはずもなかった。
僕は、すでに冷静な判断を失しつつあった。
ルーブルに行けばあるだろ!
すぐ、近くのメトロに乗った。
ルーブル
ほんとに、ルーブルの広さは尋常じゃない。
庭もそうだけど、内部はさらに広い。
美術館で自分がどこにいるか分からなくなったことありますか?
ルーブルかピラミッドか、
どちらの駅で降りたのだろう?
ふた駅にまたがってる美術館って・・。
何がどこなのか
全然分からねえ..
守衛の男に聞いたら「建物に入れ」だと。
とにかく入ってみたが、
広すぎて見つかりそうにない。
ダメだ!
確実にあるところ、
僕はまたメトロに乗りわざわざ北駅にもどったのだった。
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というわけで
頻尿の人はパリに住むことはあきらめてください。
モンマルトル
ようやく用を足した僕は、今日の宿のユースを探す為、モンマルトルのアベス駅へ。
ここにユースがあるという情報をもっていたのだ。
持っているアバウトな地図で、モンマルトルを探しまわったが、
何度メボしい通りを歩いても見つけられない。
モンマルトルは丘に出来た街で坂だらけ。
誰に聞いても分からず。
もううんざりだ・・。
諦めかけたとき、階段をあがってくる
これぞパリジャンといった感じのお兄さんの姿が。
よし!聞いてみるべ。
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エクスキューズミー!
お兄さんは親身に考えてくれる。
つながった眉、鼻毛、胸毛とワイルドパリジャンである。
もはやたよりはこの人だけだ。
お兄さんは、よしっ、と階段の横手にあったお洒落な家に住むマダムにごく自然に話しかけた。
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するとマダムは親切にも家の中のネットを使わしてくれたのだった。
フレンドリーだな〜!
旅ではいつも、困った時に
不思議と現れて助けてくれる人たちがいるのだ。
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