わくせいひつじの
アート制作日誌

.........................................................................................................................................................

1
アートアパートの巻き

とあるアパートの4部屋を、クリエーター4人がそれぞれ
期間限定で同時に居をかまえることと、あいなった。
僕は203号。
人生初のアパート間借りであるのです。


1日目

203号
6畳間。
描かねばなりますまい。
ああ、描かねば・・。

何もなき 白壁見ながら 物思ふ

...................................................................

夕方、4人のクリエーターが揃うと、
我が203号室で、204号のアパートオーナーの
音頭で、小さな乾杯をやりました。
チンっ
...................................................................

pm7:00
窓の外からメルヘンが流れる。
メルヘンのぱん!
食べねば、ああ食べねば。
その音楽の聴こえるほうへ
僕はあーと村から飛び出しました。


2日目


アパートに着いたのは夕方5:30。
今日は201号、202号とも、不在です。
さっさと帰ってしまったようです。

......................................................................

ラジカセ。
カセットのみ使用可。
なので、古いテープをいっぱい持ち込む。
ガチャリ。かたかたかた。
どんどんと昭和化していくのだ。

...........................................................................
昨日のメルヘンのパンの残りを食べる。
袋のデザインは変わらんけども、昔は紙袋だったよね。


...........................................................................

近くの大学構内へ散歩に出ました。
学祭中でテントがいっぱいです。
................................................................................

8:00
隣の204号から、アパートオーナーの貝君が遊びにきました。
今日の芸術、現代アートの終焉について語りました。
...........................................................................

夜中の12:30まで仕事。



3日目

昼2:30にアパートに出勤。
202号の手芸作家さん以外の三人が揃いました。

....................................................................

201号のともちゃんのアトリエにお邪魔です。
昨日は風邪をひいていたとのこと。

作曲されております。
.......................................................................

今日は春のような雨上がりなので、
3人で廊下に出て、くだをまきます。
誰も仕事を始めようとしないんです。

...................................................................................

それから、204号の貝君と、散歩に出かけてしまいました。
近所の団地を社会見学してから
リサイクル雑貨のお店で、将来の生活を想像してみました。
.....................................................................................

アパートの部屋も、もう見慣れてきました。
壁に途中の絵を張っていきます。
同時に複数の絵を描きます。
飽きないようにする為です。


ああ、でも飽きたな。
夜10:30まで作業しました。

4日目

3:15分 IN

4人揃うことは滅多にないようです。
今日は制作に集中しました。

...............................................................................

合間に204号にお邪魔しました。
古い写真を見せてもらいました。


..................................................................................

かのゴッホは水とパンだけでタブローに向かっていたという。


ああ、・・・
ばかな、そんなばかな。
そのときラジカセからストーンズの
As tears goes byがかかってやりきれなくなった。



5日目

一日空けて、2:15分にやってきました。

今日は201号のともちゃんがアパートを出て行きました。
ゴッホがアルルに夢見たアート村。そして
ゴーガンの裏切り。
ああ、もろくも崩れ去る儚きアート村構想。
また戻ってこいよ〜、まってるからな〜、な〜。
..................................................................................
かんぺんを持参しました。

がりっがりりっ
..................................................................................
入居してしばらく、入学式の頃のような春の気候が、
突如、冬へ。
寒い・・・。
隙間が・・隙間があ・・ああ・・。
..................................................................................
とりあえず一枚完成させました。


これもほぼ完成。



夜10:00まで作業。

ps:ほんと寒い。

6日目

4:15分到着
服を着込んで、電気ストーブも持参しました。
昨日だか一昨日だか分からなくなってきました。
..................................................................................
色が付いて賑やかになった壁。

今日で全部取り外しました。
..................................................................................
8:00頃、204号の貝君が、珈琲をいれてくれました。
あちちっ。
..................................................................................

珈琲タイム以外は夜の2:00近くまで9時間ぶっ通しで描きました。
トキが止まるアパート。
..................................................................................

服を着込んで、作業すると暑くてストーブいらなかった。
絵画健康法、習得せり。

・・しんど。


7日目
3日ぶりにやって来た。
3時頃。
廊下で202号のポールさんにご挨拶。
204号の貝君は眠っていました。
.........................................................................
気持ちがよいので散歩にでかけました。


さらに夕方にお目覚めの貝君と買い出しに。
協賛企業へのお礼です。
.........................................................................
今日は7日間の作品を仕上げていきます。


メインの油絵。


.........................................................................
夜、204号でラジオを聴きながら、
このスタジオの機能性について語りました。
.........................................................................
深夜3時。
学生の騒ぐ音が聴こえてきます。
怒りの冷めやらぬ貝君が、
珈琲を持ってきてくれました。
ついでに、ポリスマンが向かいの廊下を横切りました。
ラジカセからジミヘンのパープルへイズが流れました。

最後の一枚が泥沼に。


で新しく書き直した。今回最速の完成。


ほええ〜、朝4:30。撤収〜。
うん、充実した7日でした。


作品は随時販売中・・。

もどる
2へ